「お口ポカン」は放置厳禁! お子様の未来の健康を守るために

2025.12.5

その「お口ポカン」、本当に大丈夫ですか?


 お子様がテレビを見ているとき、遊んでいるとき、または寝ているとき。ふと気づくと、口が半開きになっていることはありませんか?

 多くの場合、「集中しているのかな」「少しだらしないだけ」と見過ごされがちな「お口ポカン」(口唇閉鎖不全、または口呼吸)ですが、実はこれは単なる癖ではありません。

 歯科では、この「お口ポカン」をお子様の全身の成長と健康に影響を与える重要なサインとして捉え、早期の対策を呼びかけています。

1. なぜ「お口ポカン」がいけないの?

 お口をポカンと開けて口呼吸をしている状態は、本来の「鼻呼吸」ができていないことを意味します。鼻は、空気中のホコリや細菌、ウイルスをろ過し、湿度と温度を調整する「空気清浄機」の役割を果たしています。

① 健康への影響:免疫力の低下
 口呼吸になると、鼻のフィルターを通さず空気が直接喉に入り込むため、その結果、風邪をひきやすくなる、アレルギー症状が出やすくなるなど、免疫力が低下しやすくなります。

② お口の健康への影響:虫歯と歯肉炎
 口の中が乾燥し、唾液による抗菌作用や自浄作用が弱まります。虫歯菌や歯周病菌が活発になり、虫歯や歯ぐきの炎症(歯肉炎)のリスクが急激に高まります。

③ 成長・形態への影響:顔の形と歯並び
 口呼吸は、舌が正しい位置(上あご)に収まらずに下に落ちる原因になります。

  • 舌が上あごを内側から押さないため、上あごの成長が妨げられ、V字型の狭い歯列弓になります。 
  • 結果として、歯が並びきらずガタガタの歯並びになったり、出っ歯(上顎前突)になりやすくなります。また、下あごの成長が上あごを超えてしまうと受け口(下顎前突)になります。 
  • 口周りの筋肉が緩むため、顎が後ろに下がり、面長な顔立ち(アデノイド顔貌)になる可能性も指摘されています。 

2. 「お口ポカン」の主な原因


 お口ポカンになる原因は一つではありませんが、主に以下の3点が考えられます。

  1. 鼻の病気:アレルギー性鼻炎やアデノイド肥大などにより、物理的に鼻で呼吸がしづらい。
  2. 筋力の弱さ:やわらかい食べ物中心の食生活などで、口を閉じるために必要な口輪筋(こうりんきん)や舌の筋力が弱い。
  3. 悪い癖:指しゃぶりや爪噛み、舌を前に突き出す癖などが残っている。 

3. 歯科でできる「お口ポカン」対策


 「お口ポカン」は、気づいた時点からトレーニングを始めることで改善が期待できます。当院では、お口ポカンを「口腔機能発達不全症」の一つとして捉え、専門的な指導を行っています。 

  • 口腔筋機能療法(MFT):舌や唇などの筋肉を強化し、正しい動きを習得するためのトレーニングです。ゲーム感覚でできる簡単な運動を、ご自宅で毎日継続していただきます。
  • 生活習慣の指導:よく噛む食事の工夫や、鼻呼吸を意識する練習方法などを指導します。
  • 他科連携:鼻疾患が原因の場合は、耳鼻咽喉科と連携を取りながら根本的な原因の治療を進めます。

 「お口ポカン」は、お子様の将来の歯並び、顔立ち、そして健康全般に大きく関わる問題です。 

 もし、ご自身のお子様の口元が気になる場合は、一度お気軽に当院にご相談ください。専門的な視点から評価し、成長段階に合わせた最適なサポートをご提案いたします。